20歳の夏。

金持ち父さん貧乏父さんにハマり、いきなり60万借金して、イベントサークルを立ち上げ、今までと違う行動をしていたときの僕にも、一応彼女がいた。

人生で初めて出来た彼女。

ちなみに記載がなかったかもしれないですが、僕は女性経験が大学生まで、とにかく少ない人間でした。

中学校時は根暗でしたし、女子と遊ぶなんてことはなかったです。

高校に至っては男子校ですし、当然女子と触れ合う機会もなく。

大学だって理系で、機械工学科だった僕の学年は、200人中女性は5名という軌跡の倍率。

小学校低学年時代、女子をからかって廊下を走り回っていたんだけどなー。。。なんてことを思いながらも、
中学、高校、大学と非常に女性っ気のない人生を過ごしていました。

彼女とは、コンビニのバイトで出会いました。

夜勤のバイトに出勤した時に、夕勤で切替のタイミングで控室ですれ違ったときが初めて会ったタイミング。

マスク姿の彼女を見て、「おぉ、可愛い」と思ったのが初対面でした。

 

その後就活のことを教えてくれ〜とかいって理由をどうにかつけて初めて食事に行って、
何回かデートを重ねて、告白をしたのが19歳の秋。

実はこのときは一度断られているのですが、再度20歳になる前の冬に再度告白して交際をスタートしました。
(断った時の理由は、まだ前の人と別れて半年経ってないから整理がつかない。ということでした。)

特筆するまでもなく、大学生らしいデートを重ねていたと思います。
公園に行ったり、川辺でバトミントンしたり、水族館行ったり、ディズニーに行ったり。

楽しかったですし、将来のこととかあまり考えてなかった時代でした。

そんな僕らの仲が少し険悪になってきたのは、僕が普通の大学生活とはちょっと変わった行動をし始めた時。

きっと彼女からしたら、どうしたんだろう??って思っていたのかなと思います。

だって今まで付き合っていた彼氏が、いきなり60万借金をしてくるわ。
イベントサークルを立ち上げたから、イベントの集客のために女性とも話さないといけない〜。とか言ってくるわ。

まぁ身勝手な話だったかなと。

ただ、当時の僕は目の前のやることに夢中になってて、そういう彼女の感情に煩わしさすら抱えていました。

 

そんなとある日の昼食、いつもどおり、一緒にご飯を食べているときですが、
僕はイベントサークルのためにひたすらに携帯でmixiをいじっていました。

そんな時にそっと彼女が手を伸ばしてきて。

「パタン」

僕の二つ折りの携帯を閉じさせました。
(まだギリギリ、僕の携帯も当時はガラケーでした。)

「一緒にいるときくらいはあまり携帯はいじってほしくない」

非常に当たり前の意見でした。

ただ当時の僕はその行為もあまり快くは思わず、二人の間には、あまりいいとは言えない空気が流れていました。

 

デートコースだった川原へ向かう途中。

(あぁ、こういう感じで、別れるって起きるのかなぁ)

なんてことを僕は考えていました。

ココ最近、一緒に居てもぎこちない空気に陥ることが多い。

僕は喧嘩をしたい人間ではないですが、気が長い方でもなかったので、怒ると黙る性格でもありました。
なんとなく、話が続かない。端的になる。
そして僕自身も僕がやりたい事にしか興味を持てていない。

感情としては非常に冷めていたと思います。

(世の中のカップルも、こういう感じで別れていくのかな・・・)

そんなことを思っていました。

 

季節は夏、天気は快晴。雲もまばらで澄み渡った空気でしたが、二人の間の空気は重いまま。

川原へと到着しました。

持ってきたレジャーシートを敷いて、とりあえず座ってました。

(どうなるのかなー、どうするかなー、、、これから・・・)

そんな事を考えていると。

 

「はいっ」

隣りにいた彼女が、りんご一つの大きさくらいの紙包を渡してくれました。

「なにこれ??」

「いいから見て欲しい」

言われるがままに中身を開けてみると、そこには「小さなストラップが付いた栞」と「小さい手紙が入ってました」

手紙を見ると、中の文章はこうでした。

 

ーいつもお疲れ様です。

最近、本をよく読むようになったから、栞をプレゼントします。

これを使ってたくさん本を読んでね。

いつもありがとう。 〇〇よりー

 

・・・・っ!!

この時の感情は、本当に言葉にならないくらいの衝撃でした。

僕は何も考えられていなかった。

勝手に冷めた目線を持って、勝手に別れるのかな、だなんて決めつけて。

それも仕方ないとか思っていた。

眼の前の相手のことを何一つ考えられていなかった。

煩わしいとすら思ってしまった。

 

読んでしばらくすると、涙が止まらなくなりました。

「ありがとう」なんて言えませんでした。

「ごめん、本当にごめん・・・!!」

謝ることしか出来ませんでした。

思ってくれていたのに、この人は僕のことを見ていてくれていたのに。

自分は何も見れていなかった。

今までの態度も気持ちも姿勢も、全てに後悔しました。

 

気がつけば、彼女も横で泣いていました。

僕はこれまでの態度を謝って、僕の彼女は別れることはなく、関係を続けることになりました。

 

そしてこの時に決めました。

(この人とは、別れることになったとしても、一生涯、縁を持って生きていこう)

僕はまだ20歳で、なにもしらないし、世の中の彼氏彼女がどういう別れをするなんてことも知らない。

それに、考えだって甘いし、この先何が起こるかなんてわからないけども、それだけは決めよう。

心の中でそう決断をしたのを今でも覚えています。

 

結果として、その彼女は、僕の人生で初めて出来た彼女であり。

今では結婚して、奥さんとなりました。

よく「結婚を決めたタイミングは??」ということを聞かれるのですが、結婚を決めたタイミングは特にはないですが、「一生涯、この人と付き合っていこう」と思ったタイミングは若いながらに、ここだったなーと思います。

多分ですが、当時の彼女からしてもそこまで計算した上でのプレゼントとかではなかったと思うんですよ。

なんとなく、空気が悪いのはあるけども、仲良くはしていきたい。そういう思いでのプレゼントだったと思います。

・ほんの小さなそんな気遣いが、僕が冷めきって人として良くない方向に行こうとしていたことを止めてくれました。

・そしてその不穏な空気の瞬間というか、険悪な雰囲気があった上だったからこそ
より互いの大事さを認識するきっかけになりました。

僕はあまり気遣いとかはできる方ではないんですが、

されると本当にありがたいものだし、本当に小さな気遣いが人を救うことにもなりえるんだなとも思います。

そして、喧嘩をしたいわけでもなく、流れで空気が悪くなってしまうこともありますが、

本当に大切な人ならば、その気遣いでより強く仲直りをできることもあるんだな。と今後の生き方に大きく学びになりました。

人の優しさを受けれたからこそ、人に対して優しくできるし、逆もまた然り。

特に恋愛関係だけでなく、ビジネスパートナーとしても
意見をぶつけ合って、その上での気遣いもあって、そういう紆余曲折を経て

関係性って強くなるし相乗効果をより生み出せるようになっていくんだな。と実感します。

今でも奥さんとの関係は良好ではありまして、

3ヶ月に一度は、どこかしらに旅行に行っています。

僕が仕事や人間関係で悩んでいる時にたまにズパっと切れ味の良い意見をくれることもありますし、

僕もシンガポールに行ったり、たまに満喫で一人で泊まってたりと好き勝手に動かせてもらっているので、

本当にありがたいかぎりだなぁと思う次第です。

 

自由にやらせてもらっているからこそ、より自由になってもらいたいですし、ちゃんと幸せにしてあげよう。と思いますよね。

 

PS、今回はいわゆる「優しさ」を受け取ったお話ですが、
次の番外編のエピソードは「恐怖」を受け取ったお話。になります。

結論から言えば、騙されて絶望を味わって、這い上がったお話。なのですが、

これも僕にとっては非常にいい経験となってますので、お付き合いいただければ幸いです。

 

エピソード1 ちょっとプライドの高くて、一般的な男の子

エピソード2 普通人、異世界に出会う

エピソード3 ストレスで蕁麻疹が出たのは後にも先にもこの時だけ

エピソード4 初めて人と向き合った年(23歳)←Previous episode

エピソード6 番外編 世の中には恐ろしい人がいると思った時のお話←Next episode

エピソード7 雇われながら自由に好き勝手に生きる。